JAいがふるさと 人材育成基本方針
伊賀ふるさと農業協同組合
1.本方針の目的
組合員の高齢化や世代交代による農業生産構造や金融環境、国際貿易環境の変化に伴い、今後のJA経営への影響が懸念されるとともに、総合事業の元で事業規制に対応した内部管理態勢の高度化が必要です。
こうした環境に対応するために、人づくりの観点からは、①組合員・地域・JAのために考えて行動できる人材、②専門的な知識や技術を備え、多様化・高度化する利用者ニーズに対応できる人材の育成が急務となっています。
また、合併直後であることから、JAいがふるさとの経営理念に則って、伊賀市・名張市の地域づくりに貢献できる職員を早期に育成する必要があります。
このため、本基本方針にて、JAとしての人材育成に関する考え方を明確にして、全役職員の共通理解として、人づくり、職場づくりに取り組んでいくこととします。
2.JAいがふるさととしての人材育成の考え方
JAいがふるさとの職員が目指すべき職員像は、“経営理念を達成できる職員”です。
人づくりの観点からは、経営理念の意味を以下のとおり整理します。
経営理念
農と食・緑を育み、豊かな生活づくり、潤いある地域づくりに貢献します。
経営理念を達成するための人づくりの考え方
◇農と食・緑を育むためには、まずは土づくりが重要です。
⇒職場での人材育成も同じです。職場の全員が『人を育てる』という共通理解を持ち、“仕事を通じて人が育つ”職場づくりを推進します。
◇実をつけるまでは、成長を信じながら、天候や生育状況に応じた適切な対応を取り続けることが必要です。
⇒人が育つためには、信頼関係が前提となります。成長を信じて、仕事を任せるということが重要です。
⇒また、任せきりにするのではなく、その人の立場に立って、助けて、教えて、やらせて、褒めて、認めて、時には叱るなど、状況に応じた関わりを持ち続けることが肝要です。
◇その実が、組合員の暮らしを豊かにして、潤いある協同活動の実践により、さらに輪を広げます。
⇒JAの主役は組合員です。主役の事業や活動を、より実りのあるものへ広げられるよう導き、支援することがJA職員の役割です。
⇒この役割を果たすには、組合員・地域・JAが“三方良し”となれるということを判断基準として、自分で考えて行動することが求められます。
⇒そのためには、厳しい環境下でも、他企業等とも競争することができるよう知識と能力をアップデートし続けることが必要です。
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3.人材育成方針
上記の「経営理念を達成するための人づくりの考え方」を具体化するために、JAいがふるさとでは、以下の職員研修制度、人事制度及び職場づくりの仕組みを用意しています。
(1)人材育成のための職員研修制度
①職場内研修(OJT)
職員の能力は、具体的な日々の業務を通じて育成・向上させていく事が最も効果的です。
仕事を通じて人が育つように、管理・監督職層自らが率先垂範して“背中を見せる”とともに、自らの経験・体験をもとに、部下や後輩の立場や状況に応じた助言を行うことが重要です。
そのため管理・監督職は日頃から部下の業務遂行状態をよく把握し、タイミングを間違えることなく必要な助言・指導を行い、部下の能力向上に努めます。
②外部研修(OFF-JT)
中央会主催の研修会を中心に、協同組合職員としての育成研修に参画するとともに、各部門において開催される、実務的・専門的な研修会に参加し、他企業・団体と互角に渡り合う事が出来る専門的分野における高度な技術・知識の習得を目指します。
③自己啓発の促進
他企業等と競争し、組合員から選ばれるJA職員となるためには、絶えず知識と能力の自己啓発に努めることが必要不可欠です。
その促進のため、各種研修・通信教育講座の受講斡旋及び補助を行い、意欲向上を目指します。
④農業研修
組合員との話題や、農業への関心を高めることを目的として、農業体験を実施します。
実際に現場に出る事で、部門を超えた交流を図ることができ、結果としてスムーズな業務連携が出来ることに繋がることを期待しています。
⑤福祉研修
JA福祉事業に対する理解について、体験型研修を通して深めることを目的に、「社会福祉法人いがほくぶ 彩四季」にて福祉研修を実施します。
高齢の組合員対応へのコミュニケーション能力向上を図ることを目的とすることは勿論のこと、実際に高齢弱者と言われる方と接する事で人間本来の優しさとはどういうものかということを考え・感じてもらう事で、社会人として、または人間として成長してもらうことも出来る研修となっています。
(2)人材育成のための人事制度
①採用制度
職員採用にあたっては、一般常識などの学力もさることながら、論文・面接等により自主性や主体性あるいは社会的適合性などをくみ取り、JAの事業を理解し、組合員ならびに地域社会への愛着を持って貢献できる人材を確保できるように目指します。
②人事ローテーション
個人の能力・個性を最大限に引き出すため、人事考課の結果ならびに自己申告制度を活用し、適材適所への配置に努めます。
また、長期間の滞留を失くし、不祥事を未然に防止する事を目指します。
③人事考課制度
人事考課制度は、組織への貢献度の評価による公正な処遇と能力の開発・育成を目的とし、成績・情意・能力要素により考課します。
これに基づいて、教育訓練、適正配置及び給与の適正化をはかり、人事管理の公正な運営を促進し、もって職員の勤労意欲の高揚と経営能率の向上をはかることを目的とします。
④目標管理制度
組合の経営計画の達成のため、部署の職場目標に基づいて、自ら業務目標を設定・進捗管理をすることで、全体の目標達成を図る「目標管理制度」を2019年度から導入します。
職員は、自らの業務目標を達成するための手段を考えて実践することで、自律性を高めるとともに、職種により評価が不均等にならないよう所属長との面接を通じて相互理解と信頼関係を深めることで、組織目標の達成及び職場活性化、業務改善を目指します。
(3)人材育成のための活力ある職場づくり
①ES(職員満足度)向上に向けた取組
JAの最大の財産は人材であり、職員満足度の向上が組合員・利用者満足度の向上に繋がるという考えのもと、職員一人ひとりが、やりがいを持って主体的に働けるようES向上に取り組みます。
具体的には表彰基準に添った制度を活用するとともに、職員同士が互いに称え合うシステムを取り入れることを目指します。
②CS(組合員・利用者満足度)活動
CS向上委員会を設置し、定期的に会議体にて協議を行い、店舗巡回等を実践しながら職員一人一人のマナーや倫理の向上に努めます。
また、金融・共済部、営農・経済部においては業務に密着した内容を検討し、知識の向上ならび仕事のし易さ・分かり易さの向上に努め、親切・安心・スピードある対応を目指します。
活動を継続反復する事で新たな課題を見出し、問題を解決する事で組合員・顧客の満足度向上を目指し、「また来店したい」と思って頂ける店舗作りを行います。
③職員互助会
主体的に仕事をする前提として、自己の健康管理が一番重要と考え、職員互助会では、スポーツを通じ体力増進に努める体育部や、「旅行・釣り・グルメ」など職員同士の交流を深める文化部での活動を用意しています。
福利厚生の一環ではあるものの、職員自らが発案・企画することを通じて、絆を深める事ができ、スムーズに業務を行う上では非常に重要な位置を占めるものと捉え、積極的な活動を支援します。
この方針は、2019年4月1日から実施する。