栽培の仕方 その2

7.肥料おき(穂肥:ほごえ)

大きな稲穂を出させるために肥料をおきます。この時の肥料のことを「穂肥」と呼びます。
肥料をおく時期は稲穂の出る30日前くらいです。この時期穂は見えませんが、写真1のように、茎の中にはすでに穂のもとになる「幼穂(ようすい)」ができています。
バケツ一杯に水を張り、肥料5gを水の上からパラパラと落とします。ペットボトルのキャップ1杯がおよそ5gになります。
1回目の穂肥をおいてから、1週間後に2回目の穂肥を同じようにおきます。

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8.出穂期と花の観察

穂の出ることを「出穂(しゅっすい)」と呼びます。出穂の時期は記録しておくようにします。
出穂がはじまると、続いて花が咲き始めます。
稲の花は朝の10時頃から咲き始め、2時間くらいでとじてしまいます。
出穂がはじまると、バケツのまわりにはいろんな昆虫や動物が集まってくるようになります。夜にも電気をつけて観察すると良いでしょう。

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9.出穂してからの注意

出穂時期は稲の一生で一番水が必要な時です。バケツ一杯に水を張っておきます。
穂が出て1週間くらいすると、スズメが穂の中の白いしるを吸いに来るので、おどし用のテープを早めに稲の上に張っておきます。
台風や強い風の害を受けるのもこの頃からです。葉がおれてバラバラになったり、茎が地ぎわから折れて全体に倒れることもあります。
強い風が吹くときには、バケツの水をぬいて室内に運ぶようにします。もしそれができない時は図15のように稲のまん中をヒモでしばって、葉がバラつかないようにしておきます。
水は刈り取りの1週間前に半分の量に減らし、刈り取りの3日前になったら全部ぬいてしまいます。いつまでも水をためておくと、刈り取りがおくれたり、黄金色のきれいな穂になりません。

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10.刈り取り

いよいよ稲刈りです。長い間の苦労がむくわれる時です。
左手で稲をつかんで、右手でノコギリ鎌を持って、地ぎわから稲を刈り取ります。
刈り取った稲はバケツ一つ分全部を1つの束にします。50cmくらいのすべりにくいヒモで、下の方から15cmくらいの所を2重にきつくしばります。
しばった稲束は図18、19のように半分にさいて竿にかけて乾燥させます。竿にかけて乾燥することを「はざ掛け」と呼びます。
はざ掛け乾燥は1週間くらいで終わります。1粒かんで、カリッとかわいた音がしてかたければできあがりです。

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11.脱穀とモミすり

稲穂をしごいてバラバラのモミだけにすることを「脱穀(だっこく)」と呼びます。脱穀したモミのモミがらをむくことを「モミすり」と呼びます。
はざ掛け乾燥した稲穂は、農家の人におねがいして脱穀・モミすりしてもらうと早くできます。
自分でやってみたい人は図20、21などを参考にして、挑戦してみてください。自分でいろいろ工夫したほうが楽しいと思います。
脱穀したモミを扇風機の弱い風の前でパラパラ落とし、遠くに落ちたモミを捨てて、近くに落ちたモミだけを集めると、粒の大きいモミだけが残り、選別(せんべつ)することができます。
選別した粒の大きいモミだけを図23のようにすり鉢に入れ、ソフトボールをすりこぎのようにしてグルグル回すとモミがとれ、玄米(げんまい)にすることができます。

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12.玄米ごはんのたき方

これは湯のみ茶わん1杯分の玄米のたき方です。
たく前に玄米を水で洗う。
玄米を10時間から12時間水につけておく。
湯のみ茶わんの3分の一まで玄米を入れ、玄米の1.2倍の水を入れる。
その中に塩ひとつまみ入れ、小皿でふたをする。
圧力ナベに少量の水を入れ、湯のみ茶わんをおいてから、ふたをして強火にかける。
シューという音がしてじょうきが出始めてから、3分間そのままで待つ。
そのあと中火で25分たいて火をとめます。
ナベから湯のみ茶わんを取り出し、かきまぜて10分間むらしてできあがりです。

図

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