1.作形と品種
春作
秋作
2.栽培上の留意点
- 湿害に弱いので、排水の良い圃場を選ぶ。
- 種芋は毎年更新する。
- 未熟堆肥と石灰を多用すると、そうか病が発生しやすくなるので注意する。
3.種芋量
- 10a当たり100〜150kg用意する。
4.植え付け準備
(1)施肥と土作り
- 家畜糞堆肥や窒素施用量が多いと、芋の中心部の空洞や褐変が生じる。このため、完熟堆肥を使用とするとともに、燐酸、加里を中心に全面施用する。元肥は、植付けの15日前に全面施用し、よく耕しておく。
- 牛糞堆肥を施用する場合は1t/10a程度とし、大量施用する場合には前作に行う。
- 土壌のpHが6を超えないよう、土づくり肥料として苦土石灰等を投入する場合には土壌診断結果に基づいて施用する。pH6以上になるとそうか病が発生しやすくなる。
- ホウ素が不足すると芯腐れ症が発生しやすくなるので、必要に応じてホウ素資材を使用する。
(2)環境への配慮
- マルチ栽培の場合は元肥のみとし、施肥料は20%程度減らす。
(馬鈴薯の施肥例(kg/10a))
肥料名 | 元肥 | 追肥 | 成分量(kg) | 備考 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|
N | P | K | Mg | ||||
大山田コンポ | 450 | 7.2kg | 17.1kg | 15kg | 6.9kg | ||
有機の匠811 | 100 | 8kg | 1kg | 1kg | |||
燐焼安加里S646 | 30 | 4.8kg | 1.2kg | 4.8kg | 追肥は土寄せと同時に行う | ||
合計成分 | 20kg | 19.3kg | 20.8kg | 6.9kg |
(馬鈴薯の施肥例(kg/10a))
肥料名 | 元肥 | 追肥 | 成分量(kg) | 備考 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|
N | P | K | Mg | ||||
大山田コンポ | 450 | 7.2kg | 17.1kg | 15kg | 6.9kg | ||
有機の匠811 | 100 | 8kg | 1kg | 1kg | |||
合計成分 | 15.2kg | 18.1kg | 16kg | 6.9kg |
(3)種芋の準備
- ウイルス病やそうか病にかかっていない健全な種芋を用いる。
5.植付け
1.畝幅・株間
- 畝幅はマルチャーでマルチを張る場合は85cm程度になる。株間は早堀りする場合は広めに、遅い場合は狭くするので、21〜30cmくらいになる。
2.植付け方法(種芋の切断方法)
- L級は3個、M級は2個くらいに、1個重が30〜40gになるように切断する。各片に芽が同じくらいに着くようにする。
- 皮が褐変したものや維管束が褐変したものは取除く。
- 切断後、2〜3日間、陰干ししてから植えつける。
- 秋じゃがは腐りやすいのでそのまま丸ごと植えてしまうこと。
- 深さ10〜12cmの深さに植付ける。
6.植付け後の管理
1.マルチあけ
- 萌芽開始から少なくとも2日に1回はみまわりして、マルチを切って芽を地上部に出してやる。
2.芽かき
- 芽が10cm位に伸びた頃、生育の良い芽を2本ほど残して、他は摘み取る。摘み取りの際、種芋が一緒に抜けないよう、手のひらで株元を押さえ、横にたおすようにかきとる。
- 芽を多く残すと、芋数は多くなるが、小さいものとなる。
3.病害虫防除
- 疫病やアブラムシが発生しやすい。疫病は9〜10月に降雨が多い年に、窒素過多で軟弱徒長の条件で多発する。発生すると急激に蔓延するので、初期防除を怠らないよう注意が必要である。
7.収穫
- 開花後、茎葉がやや枯れ始めた頃、天気の良い日を見計らって堀り取り、外皮が乾くくらいの時広げて、陰干しにしてもよい。直射日光に当てると緑化し、品質を損ねる。
- 収量目標は、10a当たり2,500kg