家庭菜園12ヶ月

格別な味を楽しむトウモロコシ

 

夏の魅力的な野菜ですが、甘味の糖分は、1日たつと呼吸による消耗とでんぷんに変化するため20〜30%も落ちてしまい、みずみずしさも損ねるので、取れたての味こそ最高。菜園で育てて格別の味を楽しみましょう。

高温好み(適温は22〜30度)なので、十分暖かくなり、5月上旬以降に種まきします。図のようにフィルムマルチをし、1カ所3粒まき、育つにつれて間引きし、草丈20cmぐらいになったら一本立ちにします。

粒がぎっしり付いた実入りの良いトウモロコシを得るには、雌穂に雄穂の花粉が十分付くことが大切です。そのためには株数を多く、1列植えよりも複数植えにした方がよいです。花粉の付きが良くないと思われるときには、開花した雄穂の下辺りを手のひらで軽くたたいて花粉を散らし、下方の雌穂に付きやすくしてやります。

葉の働き(光合成)を良くするために、下の方から出た脇芽は取り除かないで葉数を多くすること、雌穂は上の方の一番大きいもの1穂だけ残し、他の小さいものは取り除くこと、乾き過ぎたら適宜灌水(かんすい)することが大切です。

追肥は草丈40〜50cmのころと、先端の雄穂が出始めたころの2回、化成肥料を与えます。量は1株当たり化成肥料大さじ1杯を目安とします。

2回目の追肥の後、株元に小高くなるほど土寄せし、株元に出ている不定根を多く伸ばすようにして、風で倒れるのを防ぎます。

収穫は雌穂の毛(絹糸)の先が黒褐色に変色したころ(受粉後22〜26日)です。握ってみて、先の方まで十分膨らんでいることを確かめてからもぎ取ります。

トウモロコシは色や品質の異なる品種が近くにあると、花粉親の影響が直接果実に表れるキセニア現象があるので、1カ所で1品種にするよう配慮します。

板木技術士事務所 板木利隆『JA広報通信』

このページの先頭へ